そもそも板金塗装屋を営むためには、それ相応の場所と設備が必要になります。トンカチ一つで出来ると思っている人が稀にいますが、時代が違います。
設備にも絶対必要なもの、あると仕事の精度が上がったり時間短縮ができるものそれぞれありますが、板金屋の設備はどれもそれなりに高額のものが多く、設備を導入して、年々減価償却していくパターンが多いです。つまりそれほど高価な設備が多いということですね。
高価と言えばですが、板金屋特有の機械として、「フレーム修正機」というものがあります。
これは一体どのようなものかと言いますと、事故により大破した車のフレームを様々な角度から引っ張って、元に戻していくものです。大破して、フレームを切断してしまうと、フレームの強度は格段に落ちてしまいます。フレーム修正機を使用することで、大破した車もフレームの強度を落とすことなく、元の強度に戻すことができるのです。本当にすごい機械です。なお1mm単位でフレームの曲がりを直せます。
ちなみにフレーム修正機のお値段はメーカーやオプションによりますが、大体2000万円以上します。
このような機械を入れている会社は、ある意味気合いが入っているので、それなりに技術力はあると見ていいと思います。
次にご紹介する機械として「スポット溶接機」というものがあります。
これはスチール、アルミ、超高張力鋼板の溶接に用いるものです。溶接機は各自動車メーカーの溶接条件に合致させる必要があり、最近ではハイブリット車の溶接にも対応していくためにも必要です。
他にも「二柱リフト」なんかが高額の設備になります。二柱リフトは車を持ち上げて下から作業するための機械です。車検・点検・オイル交換・タイヤ交換などの作業に必要になります。
塗装においてできれば絶対に必要なもの、それは「塗装ブース」です。
塗装ブースとは、車を塗装する際に、塗装面に細かいゴミやほこりが付着しにくいようにするための部屋のことを言います。塗装後は、遠赤外線で完全に車体の塗装面を乾燥させるので、塗膜を完全に硬化させることが出来ます。
有名どころの大きな設備は上記のような感じですが、他にも、エアコンガス再生機、ヘッドライトテスター、スタッド溶接機、故障診断機など様々な機械が実際は必要になります。
板金塗装屋をするということは、上記のような機械が無いといい仕事が出来ないんですね。
全て絶対に必要とまでは言いませんが、つまり上記のような機械があまりにもない会社は、ちょっと避けた方が無難なのかもしれません。