本当なの?と驚く人も多いかもしれませんが、板金屋が全部が全部十分な技術を持っていると言えません。プロ同士であれば、あの人は板金がうまい、塗装がうまいというのは分かるし、逆にヘタなのは一目瞭然で見抜いてしまいます。
しかし、「あそこの会社は板金(や塗装)が下手です」と誰も言わないので、消費者の人達は分からずに下手くその板金屋に車を持って行ってしまうことは多々あるでしょう。
車をぶつけて凹んだ部分に対し、しっかり腕のある板金屋ならば、凹んだ部分を引っ張り出して強度を戻しつつ、少しのパテで穴埋めしたりするのが筋なのですが、下手くそな人だと、思いっきりパテを流し込んで、その上に塗装をしてごまかすなんでことは日常茶飯事です。
見た目わからなかったらそれでいいと思う人は知りませんが、基本的に「いかに本来の車の合板の強度を落とさずに直し、本来の見た目に近づけるか?」が本物の車の板金塗装屋の姿です。
そして塗装に関しててですが、そもそも塗装技術が甘い、塗った部分が一目瞭然でわかる、こんもりしているなどいろいろありますが、あとよくあるのは、塗装担当者が年のせいで目が悪くなってイマイチ色合わせが下手というパターンもあります。ちょっとかわいそうですけど、若い人の技術者を育てるべきと思います。
他にはフレーム修正機でフレームを引っ張って直す際、引っ張る角度や順序、力のかけ具合において、技術不足、知識不足な人が非常に多いです。何でもやみくもに引けばいいというものではありません。
うますぎる人は本当に一部しかいませんが、技術不足、知識不足で誤って引き過ぎると、フレームの現時点の強度さえも逆に落としかねないのです。ここら辺は、フレーム修正機を販売しているメーカーの研修会に積極的に出向いて、積極的に各会社の担当が技術&知識をカバーしていってほしいですね。
最後に、技術&知識とは少し違うかもしれませんが、お直しする車を、あたかも自分の車のように、少なくとも自分の家族が普段乗っている車のように、安全かつそれなりに丁寧にまごころ込めて直そう、直してご納車しようというスピリットは大事に思えます。ディーラーの下請けばかりやってきた会社に車を持ち込んで直してもらった際に、お金の計算の範囲でのみしか対応してくれないなんてことはあり得ます。もちろん修理してい最中に、新たに必要な修理が見つかれば、お客様に確認して同意を得てから費用計上して修理すればいいのに、下請けが長かった会社は、言われたことを直すことだけ考えて、お客様の視点で物事を考える、提案をするというアクションが大きく欠落していることがあるのです。車を直す方の立場になればわかりそうなものですが、マシーンのように、この業界の構造上なってしまったのです。
時代が進むにつれ、自然の摂理でこのようなマシーンの会社はどうしても減っていくでしょう。
でも自分の愛車を間違ってもこのような会社に預けることのないように、皆様には細心の注意をはらってもらいたいものです。